歯間空隙が大きかったため歯冠補綴を施術した例

初診時

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先天欠損と歯冠副径の不足によって歯間が解離しており、歯間の閉塞を希望して受診した患者さん。

写真で見てわかるとおり、全体的に歯間副径が不足しており歯間空隙が大きすぎて審美性に支障をきたしています。

歯冠補綴(被せもの)によって空隙を閉鎖させようと考えました。

術前の検討

かなり大がかりな治療が予想されたので、術前に模型を作成し、模型上でどのような歯冠形態にできるか検討し治療計画を立てました。

写真は模型上でワックスを用いて検討した研究用模型です。

この模型を患者さんにお見せして、治療計画を説明してから、同意をいただいて治療を行なっていきます。

術 後

上顎は犬歯を側切歯形態としてブリッジを作成し、先天欠損を補綴しました。被せ物は前方歯牙は真っ白な色調を選択し、後方にいくにしたがい色調を微妙に暗くしています。これは、私が好んで用いる手法で、真っ白な歯が10本も並んでいると一塊となって周囲から浮いて見えるので、周囲と調和させ自然感を持たせるための方法です。患者さんからは全部真っ白にしてくれと言われることは多いのですが、あまりお薦めはできません。

 

下顎は歯冠副径を大きくするように被せものを大きく作り、歯間空隙を閉鎖させました。

左下の欠損に関しては患者さんと相談したのですが、模型上で検討した結果、さほど目立たないだろうということになり、またメタルが見えるのがイヤだということになりそのままにしています。

 

この時留意したのは、下顎の歯にメタルを使うとかなり目立つのですが、上顎の場合はさほど目立たないということです。

患者さんは女性でしたが、特に女性の場合は男性よりも背が低いので下顎の咬む面のメタルは目立ちやすいので極力使いたくないという点がありまして、ブリッジにせず単冠ですませました。補綴後に左下大臼歯のアマルガムをCR(コンポジットレジン)で再充填して治療を終了しました。

術後の写真と治療計画作成に用いた模型の写真を並べてみます。

治療計画どおりに、治療が行われたことがわかると思います。

 

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